冊子『安藤由紀の木のどうぐ』

Cl : 安藤由紀 https://ivory-plus.jimdo.com/
2018.11

徳島で暮らす木工作家、安藤由紀さんのこれまでのものづくりへの想いをまとめた冊子を制作しました。
工房での制作風景と作品の撮影、聞き取りをして文章にまとめ、カバーパッケージまで一冊のデザインを担当。

A5変形 / 24ページ

木を彫ること。木への想い。
安藤由紀さんが木でものづくりをしていくうえで大切にしていることを、工房や作品の写真と合わせて伝えられる一冊に仕上げました。実際に安藤さんの作品を暮らしのなかで使っている方たちから使い心地などを伺って掲載したページも収録。安藤さんの作品のことをより知っていただく手助けになればと思います。

本文の英訳は関西を中心に活動する翻訳家 PINE TREE TRANSLATION の松嶋友紀さん。
アートやクラフトなどへの関心が似ていて、その分野の翻訳も多数手がけられています。きっと安藤さんのものづくりのこともわかってくださると思って、依頼しました。

 

カバーパッケージは、ロウ引き加工したクラフトの平袋を革紐で留めて。

革紐は少しずつ色の違う3色をランダムに使用しました。

***

袋の綴じ方は最後まで迷っていたのだけれど、ギリギリで革紐に落ち着きました。安藤さんのもとへ納品をしたときに「革紐だとまた色が変わっていくからいいね」と言ってくれて、安藤さんと出会った日のことを思い出しました。

今から10年以上前のこと。
共通の知り合いのカフェでたまたま隣の席に座ったわたしと安藤さんは、その知人の助けもあって初めて話をしたのでした。ものづくりのこと、好きなもののこと。なかでも意気投合したのが「経年変化するものが好き」という話でした。手で触れるごとに、暮らしとともに、色濃く変化していく素材への愛着。木はもちろん。革小物が好きだったわたしは、古びてゆくものの良さを同じように味わえる友人ができたことが、本当に嬉しかったのでした。

そんな10数年来の友人である作家、安藤由紀さんの想いをまとめた一冊に携わることができてとても感慨深いです。

 

留めた革紐ももちろん経年変化していくだろうし、ロウ引き加工した袋もシワができたり変色したりしていくだろうと思います。安藤さんのつくる木の器やアクセサリーも、使うごとに色も手触りも変わっていきます。作品同様にこの冊子も、どんな風に育っていくのかを楽しんでいただければと思います。

 

以下、冊子掲載写真より。
Photo : KIGIPRESS

 

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