何に見えるか見えないか

絵画などアート作品の展示を企画していて楽しいのは、「これが好き」とか「これはよくわからない」とか「こんな風に見える」とか「こんな気分になった」とか、いろんな感想を聞かせてもらえること。人それぞれ感じ取り方っていろいろあるんだなあと思えて、それを聞かせてくれるのがとても嬉しい。わたしと違う気分になる人もいるし、「わからない」ということを一緒になって「わからないねー」って言い合ったりもするし、表現者も想像してないところで感動が起こったりすることもある。「わからない」ことも間違いじゃないと思う。間違いはないし、きっと正しいものもない。

ときどき、小さな子どもが展示作品に興味を持ってくれることがある。今回の『遥遥』原画展示中も一人、とても熱心にいろんな質問をしてくれる子が来てくれた。これも正解があるのかどうかわからないけれど、小さな子に「これは何?」と聞かれたら「何に見える?」と質問返しするようにしている。そしてときどき「○○かもしれないし、○○じゃないかもしれないよ」と曖昧で意地悪な答えを言ったりして、子どもたちの頭に「?」マークが浮かぶのが見えたりする。ただ「自由でいいんだよ」って伝えたいから。

表現は自由だし、感性も自由でいいんだと思う。
正解はないんだと思っている。

そしてわたしは、正解がないこの世界で自由にいさせてもらえるこの時間が、とてもとても好きなんだと改めて思った。

2019-06-23|タグ:
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