姉妹で活動するイラストレーターユニット[STOMACHACHE.]の姉の方、宮崎信恵さんの絵本『See You Tomorrow』(発行:ELVIS PRESS)の原画作品展が、名古屋、東京と巡回し、徳島でも開催されています(2018.10.03-10.08 at. THE MORNING)。
STOMACHACHE.は雑誌や広告のイラストレーションを手がけ、全国区で活躍する人気イラストレーターですが、現在、信恵さんは徳島在住。自身初の絵本作品の記念巡回展を徳島でも企画してくれたことはとても嬉しいこと。なんたってわたしは8年近く前から彼女たちの作品のファンなのです。
宮崎信恵さんの初の絵本『See You Tomorrow』。
そこにはなんでもない日常の物語が流れている。
ぼーっとしたり、考え事したり、歩いたり止まったり、何もしなかったり、ただただ普通に過ぎてゆく日常。なんでもないことだけど、愛おしい時間だったりする。それに気づいたとしても、気づかなかったとしても、続いていく日々。「またね」と何かを得たり失ったりしながら過ぎてゆく日々を見送り、明日を迎えいれていく繰り返し。
この絵本を手にとったとき、わたしが今とても必要としていることだと思った。
なんでもない日々をただただ普通に、ちょっとだけ大事に思いながら過ごしていきたい。そんな今の気分にぴったりの絵本。ふとしたときにまた開けて眺めていたい絵本。
おすすめの一冊です。
そんな絵本の原画作品展。
イラストレーションだけでなく、普段は陶芸や木版画、刺繍、パッチワーク、コラージュなどさまざまな手法で表現活動を行なっている信恵さん。この絵本『See You Tomorrow』のなかでも、線画や水彩、コラージュ、版画などさまざまに素材を組み合わせて表現されていて、原画をみるとそれがよくわかります。
なによりもその空間がひとつの作品をみているようで素晴らしかった。
絵本のなかに登場する木や車やタペストリーがオブジェとなってあちこちに点在していて、絵本のなかの物語がそのままこの場所につながって流れているような空間。
ひとつの空間をひとつの物語の作品に仕上げるということ。
イラストレーションに興味のない方でも何かその場で感じて欲しいと思う空間づくりでした。
次に場所を持つときには、こういう展示ができるような場所にしようと思った。
ただ壁に絵を飾るだけ、ただテーブルに器を並べるだけじゃなく、空間をとおして一人の作り手の想いが伝わるような。そんなヒントも与えてくれた、素敵な展示でした。